けれども僕は嘘をつくだろう(了)
2003.4.1〜2004.9.3

予告通り予告なく終了することとなりました。一度でもその目を汚してくださった方、どうもありがとう。
furuki

九月の三日
「あの頃もし携帯電話があったら、俺は失わずに済んだかもしれないと思うことがある」それは嘘だとわたしは思ってたんだ。そういうの苦手なんだよきみは。家を出、眠ってしまうかもしれない心配と自転車を飛ばした。何にも負ける気がしなかった。わたしたちは薄情だから、きっとすぐに何もなかったよう、日常へ溶けてゆける。そして時折思い出したように悲しい顔をするんだ。それこそが悲しいね。自転車を降りた。そこには笑顔しかなかった。だからわたしもきみも笑顔になろうと合図したんだ。合図こそが笑顔だった。